養子縁組と相続


相続対策としての養子縁組


養子縁組はその対策効果の即効性と手続きの簡易性から見れば、最も優れた
相続対策といえます。

養子縁組の効力は、養子縁組の届出書が受理された時に発生しますので
届け出の日から効力が生じることになります。

養子縁組を実行すると法定相続人1人当たりの遺産にかかる基礎控除額が
1,000万円増えます。つまり、相続税の非課税額が1,000万円拡大すると
いうことになります。

さらに、相続税を計算する場合の累進課税が緩和されるので、相続税が
大幅に軽減されることになります。


一世代飛ばしという、孫との縁組みをする方法もあります。

孫と養子縁組をして財産を相続させると相続税の課税を1回飛ばすことができる
ことから、一世代飛ばしと言われています。

父から孫へ直接財産が相続されれば、子から孫への相続税が軽減されることに
なるのです。


しかし、節税対策としての効果だけに目を奪われて養子縁組を行うことは
争いの元になりかねませんので十分な注意が必要です。

養子縁組を行う場合、遺言書で相続する財産を具体的に誰にどれぐらい相続
させるのかを指定しておく等、法定相続人の間で争いに発展しないよう
配慮しておく必要もあります。

再婚の養子縁組と養子縁組の解消


子どもを連れて再婚した時、その子と養父の関係は血のつながりがないので、
その子は相続人になることはできません。

この場合、養父と養子縁組の手続きをしておけば相続権を獲得することができます。

戸籍上の続柄は「養子(養女)」と記載され、再婚相手は養子を扶養する義務が
発生します。

また、子どもは再婚相手の法定相続人になることができます。

子連れで再婚する夫婦では、血のつながらない子を養子にしておくことが、
将来に問題を残さないための方法です。

養子縁組の手続きの仕方については、コチラを参照してください。



養子縁組の解消(養子離縁)

再婚したが、また離婚する場合やその他の事情で、養子縁組を解消する場合は
養子離縁届を役所に提出しなければいけません。

養子離縁の方法としては、協議離縁・裁判離縁・調停離縁の3種類があります。

養子縁組の手続きの方法

養子縁組の手続き方法について理解しましょう。


届け出る人は、養父母または養子です。

届け出る所は、養父母または養子の本籍地、または所在地の市区町村役場です。


届け出る際に、必要なものは、以下の4つです。

1 所定の養子縁組届書1通(成人者2名の証人が署名、押印したもの)

2 本籍地以外で届け出る時は、養親と養子の戸籍謄本1通ずつ

3 養親と養子の印鑑

4 届書を持参する人の身分証明書

未成年者を養子にする時は、家庭裁判所の許可書と印鑑(養父、養母、養子)が
必要です。

ただし、養父母の直系卑属を養子とする場合は、家庭裁判所の許可は不要です。



<国際養子縁組の手続き>

一時期マドンナの国際養子縁組が話題になりましたね。
欧米では芸能人による外国人養子が続いています。

養子縁組は可能で、日本人同士の養子縁組と同様で、手続きは市役所で行います。

ただ、養子縁組が成立しても、自動的に日本国籍を付与されるわけではなく、
国籍はそのままです。

日本国籍を取得したい場合は、養子縁組の手続きとは別に、帰化申請を行う
必要があります。

詳しくは行政書士・司法書士・弁護士などに相談することをおすすめします。

普通養子縁組と特別養子縁組

養子縁組制度は、普通養子縁組と特別養子縁組の2つに分かれます。

その違いについて説明します。


普通養子縁組

・養子は15歳以上であれば実父母の意思と関係なく縁組が可能です。

・養子になる方は養親より年少者であれば年齢は問われません。

・また養親は成年に達した者であれば単身でも可能で、養子の親権者となって
 養育を行います。

・戸籍上養親との関係は、養子と記載され、両方の親の名前が記載されます。

・姓は養親の姓を名乗りますが、実親との関係も戸籍上は残ります。

・扶養義務と相続権は実親、養親の両方を持ちます。

・離縁は養親、養子両方の同意と離縁の届出があれば可能です。



特別養子縁組

・裁判所において審判し親子として宣言されます。

・養保護要件が必要です。

・申し立ての時点で6歳未満。但し6歳未満から養親に引き取られ養育されて
 いる場合8歳未満の子供も可能と言われています。

・養親は夫婦(婚姻関係が必要)で一方が25歳以上、もう一方が20歳以上と
 なっています。

・養子は養親の姓を名乗ります。

・実親との関係は、戸籍上の親子関係が消滅します。

養子縁組を理解しましょう。

自分は実際に養子縁組をしていないし、身近に養子縁組をした、又は
しようとしている人もいない。

これまでの人生で養子縁組に関して全く関わりのない生活を送ってきた人に
とっては、養子縁組という制度は理解するのが難しく、少し不思議な感じが
する制度かもしれないですね。

そんな人のために、養子縁組についての説明、解説をします。

お役に立てれば嬉しいと思います。

一般的に戸籍の届出は10種類ぐらいなのですが、養子縁組届は届出件数から
みるとそれほど珍しい届出ではありません。

しばしばある届出といえます。


まず、養子縁組とは、辞書によると、「親子の血縁のない者の間に、親と
嫡出子(ちやくしゆつし)との親子関係と同じ法律関係を成立させる法律行為」
とあります。

この関係によって設定された親子関係をそれぞれ養親・養子養女と呼び、
また養子から見て養親の家(又は家族)を養家と呼びます。


養子縁組は、要式行為ですから一定の方式によることが必要です。